象彦の由来

    寛文元年(1661年)、象彦の前身である象牙屋が開舗、漆器道具商としての道を歩み始めます。朝廷より蒔絵司の称号を拝受した名匠・三代西村彦兵衛が晩年「白象と普賢菩薩」を描いた蒔絵額が洛中で評判となり、人々はこの額を象牙屋の「象」と彦兵衛の「彦」の二文字をとり、「象彦の額」と呼びました。
    それ以来「象彦」の通り名が時を経て今日に至っています。

    四代彦兵衛

    四代彦兵衛は仙洞御所の御用商人をつとめ、六代彦兵衛は風流の道に通じ茶道家元のお好み道具ほか数々の逸品を制作しました。八代彦兵衛は漆器の輸出を行い漆器貿易の先駆者と呼ばれ、京都蒔絵美術学校を設立し後進の育成にも尽力しました。現在では蒔絵の高級品だけでなく、日常使いの食器やインテリアなど幅広く展開、新たな可能性を広げるべく海外企業やクリエイターとのコラボレーションも積極的に行い、京漆器の語りつくせぬ魅力を世界に広げていく歩みを続けています。

    • 創業地寺町綾小路の店舗図。店先の大杯は今も現存しています。

    • 大正7年に岡崎にショールーム兼迎賓館を建立。写真は昭和初期の様子。

    • 工房の一部。

  • 1661年

    安居七兵衛(やすいしちべえ)
    長崎唐物交易株を有する象牙屋治郎左衛門(ぞうげやじろうざえもん)の分家として象牙屋を開舗

  • 1692年

    楠治兵衛(くすのきじへえ)
    象牙屋を継承。後に二子に象牙屋を分与

  • 1714年

    楠治郎兵衛(くすのきじろべえ)
    象牙屋北本家として漆器・唐物を商う

    二代楠治兵衛 
    象牙屋南本家として唐物を商う(後に南本家絶家)

  • 1716年

    二代楠治郎兵衛
    象牙屋北本家を継承

  • 1729年

    三代楠治郎兵衛
    象牙屋北本家を継承。子がなく別家筆頭、西村彦兵衛が後継することとなる

    • 三代楠治郎兵衛
  • 継承年不詳

    初代 西村彦兵衛 
    象牙屋を継承
    漆器の名匠にして「羽衣蒔絵硯箱」等を制作する

    • 羽衣蒔絵硯箱
  • 1773年

    二代 西村彦兵衛 
    初代の兄の五男が養子として迎えられ 象牙屋を継承
    家業永続の基礎を確立した
    漆器の技法に長じていただけでなく多くの逸品を蒐集した

  • 1803年

    三代 西村彦兵衛
    象牙屋を継承
    蒔絵の名匠と謳われ長年御所御用達を命ぜられた功績により朝廷から「蒔絵司」の称号を授けられた
    彼の作「白象と普賢菩薩」を描いた蒔絵の額を菩提寺に奉納したところその素晴らしさに洛中の人々は象牙屋の「象」と彦兵衛の「彦」をとって 「象彦の額」と呼んだ。これが象彦の屋号の誕生である

    • 白象と普賢菩薩
  • 1832年

    四代 西村彦兵衛 
    象牙屋を継承 中興の英主
    伏見山本家より養子として迎えられている
    蒔絵技術にも長じ「竹林蒔絵婚礼調度揃」などの逸品を製作
    仙洞御所の御用商人として出入りを許され象彦の家業を名実ともに確固不動のものにした

    幕末の激動期にあたり1864年「蛤御門の変」で店舗が焼失するも再建した
    また三代彦兵衛とともに家訓を策定している

    • 四代 西村彦兵衛
    • 竹林蒔絵婚礼調度揃
  • 1875年

    五代 西村彦兵衛
    象牙屋を継承。49歳で没する

  • 1884年

    六代 西村彦兵衛 
    象牙屋を継承
    風流の道に通じ詩歌・書・茶道に精通し
    茶道においては御家元の「お好みもの」を数多く製作した

  • 1893年

    シカゴ・コロンブス記念万国博覧会に作品を出品
    風流の道に進むため1907年に隠居している
    隠居後の作品には「平安居 象翁」の箱書をしている

  • 1907年

    七代 西村彦兵衛 
    象牙屋を継承

    六代の弟で相続人が若年のため一時後見役として継承
    1910年に分家し「象福」を創業

  • 1910年

    八代西村彦兵衛
    象牙屋を継承

    継承当初は7世代目の当主として「七世 象彦」と箱書をしていた
    皇室関係の御用関係では大正天皇御大典に際し御料車内の蒔絵装飾
    大宮御所、二条城、御饗宴場の塗り・蒔絵工事の奉仕を行う
    昭和天皇御大典に際し京都御所塗替工事を行う
    そのほか皇族からの下賜品の製作、皇族・国賓への献上品の製作など数々の名品を製作

    • 八代西村彦兵衛
  • 1918年

    岡崎公園横にはじめて看板に「象彦」と表記した「象彦漆器陳列所」をオープン
    数多くの皇族・海外の貴賓をお迎えした。
    同時に「京都蒔絵美術学校」を設立し、多くの蒔絵師の育成に尽力した

    漆器の輸出にも力を入れ、1925年および 1936年のパリでの万博に出品
    また積極的な漆器の輸出の功労に対し国から種々の表彰を受けた

    • 岡崎に移転した当時の様子
  • 1954年

    株式会社象彦設立

  • 1965年

    九代 西村彦兵衛 
    象彦を承継
    伝統の調度品を製作する傍らギフト市場に着眼・参入した
    京漆器の技術を維持するため、歴史に残る逸品の写しの製作を行った

    皇居新宮殿の玉座の塗加工のご奉仕

    • 有明蒔絵硯箱
  • 2009年

    西村 毅 
    株式会社象彦 代表取締役社長に就任
    海外市場調査を開始し、数々のコラボレーション作品を発表

    • ヴァシュロンコンスタンタン社(スイス)との限定時計シリーズ
  • 2011年9月17日~11月13日 

    三井記念美術館において 華麗なる京蒔絵 三井家と象彦漆器が開催される

  • 2014年

    本店を寺町二条上ルに移転

  • 2015年

    新ブランド「一六六一」を発表

  • 2018年9月28日~2019年2月24日

    台湾 北投文物館(Beitou museum)において日本象彦京蒔絵・漆器工芸特展が開催される